IoTはInternet of Thingsの略です。つまりインターネットありきと言えます。スマートフォンはもちろん、今はオフィスや自宅でも当たり前のように常時接続、かつ高速なインターネット回線が利用できます。カフェや公共交通機関の中でもWiFiが提供されているのも珍しくありません。

そんな恵まれたネットワーク環境にいると、IoTにおいてもネットワークが簡単に使えるものだと思ってしまうものです。しかし話はそう簡単ではありません。今回はそんなネットワークの悩みについて紹介します。

まとめ

  • モバイル回線は高いのでハブ構成がお勧め
  • ビーコンデバイスは生死確認が難しい
  • 相互通信を行うにはNAT越えを考える
  • 安定した通信環境は有線がベスト

1. 3G回線は高い

IoTデバイスにSIMカードを挿してステータスを常時発信したいと言うニーズは多いですが、実際に1デバイス単位でSIMカードを差し込んでいると月額数百円レベルでコストがかかってきます。1万台も設置したら、それだけで年間1億円くらいのコストになります。さらに通信料によって料金が変わる場合は相当大変です。これを維持し続けるというのは困難です。

もし3G回線を使う場合は、ハブになる機器に3Gを使って複数台のIoTデバイスはBluetoothや有線を使うといった構成にすると良いのではないでしょうか。

2. モバイル通信回線は意外と不安定

普段スマートフォンを使っていると感じませんが、3G回線は常時安定している訳ではありません。移動しながらの使い方では特にエラーが頻発しますし、例えば車載デバイスで常時高速にデータを飛ばすのは非常に難しいでしょう。

とはいえ、小型のIoTデバイスに情報を集積するのは不向きです。IoTデバイスとスマートフォンを連携させることで一時的にスマートフォンにデータを集めつつ、回線状態が良いときに通信させるなどといった工夫が必要です。

3. ビーコンデバイスは生死確認が難しい

デバイス自体にはネットワーク機能を持たない、ビーコン系のデバイスは低消費電力であるためボタン電池一つで数年動くものや、NFCのように電力を必要としない使い方もできます。ただしネットワークがないために状態を監視するのも難しいです。

使われていれば“生きている”確認はできますが、使われていない場合に“電池が切れている”、“何らか故障している”、“使われていないだけ”などの状態が分からないといった問題があります。それが地方や遠隔地になれば特にそうでしょう。

4. NAT越え問題

宅内、オフィス内に設置するタイプの機器においてインターネット側から機器に対して指令を出したいというニーズはよくあります。そこで問題になるのはNAT越えです。通常の方法では無理でしょう。

解決できる方法としてはMQTT/WebSocketといった技術や、定期的にサーバの指令を確認しにいくといった方法もあります。それを使ったとしても再接続処理を行うなど注意すべきことがあります。特に個人宅などネットリテラシーが高くない人でも使えるようにしようと思うと考えるべきことがたくさんあります。

5. 有線回線の魅力

有線は取り回しが面倒なので、トレンドとしては無線化する方向です。しかしセキュリティ上の設定が必要であったり、うまくつながらない場合の動作確認が面倒であったりと何かと問題になるのも無線の特徴と言えます。

サーバ監視や家庭のモニタリングなどリアルタイム性が確実に求められる場合は無線ではなく有線にする方が確実と言えます。また、DHCPを使うなどできるようであれば設置も簡単でかつ安定して動かせるでしょう。


ネットワークで気にすべき要素としては、

  • 有線か無線か
  • 距離はどれくらいか
  • NATの存在
  • ネットワーク速度
  • ハブあり、またはなし(独立)

があるかと思います。これらの分類によって最も低コストで成り立つネットワーク構成を選ぶと良いでしょう。安価な構成としてはネットワークは個人や会社がすでに持っている有線または無線(スマートフォン含む)を使い、IoTデバイスとスマートフォンがBluetooth、USB接続を介してデータを送受信するというものです。