昨今、業務へのAI適用はあらゆる産業で注目され、その導入事例は日々増えています。しかし、構想だけ、または実証実験だけで終わってしまうAIプロジェクトも少なくありません。

本稿では、弊社AI活用支援担当ディレクターが、実務経験をもとに成功するAIプロジェクトのポイントについてご紹介します。

業務適用されないAIシステム

なぜAIを用いたシステムが業務に適用されないのか?
理由として、

 ・実際にユーザーが利用する場面を想定しておらず、作っても利用されない
 ・社内既存システムとの連携といった運用が想定されておらず、要件定義をやり直しているうちに開発見積が確保した予算を超過

といったことがあります。

2つのフレームワーク

では実際の業務に適用され、ユーザーの課題を解決しうるAIシステムはどのように構築すればよいのでしょうか。

弊社では、プロジェクトの初期段階でAI導入の目的や適用業務・システムの全体像を明らかにすることが成功に繋がると考え、「ワークフローマップ」「システムフローマップ」の2つのフレームワークを活用しています。

 

「ワークフローマップ」「システムフローマップ」による
 AIシステムの全体デザイン

「ワークフローマップ」によるビジネス要件の把握

AIプロジェクトが開始されると、まずは関係者、実際にシステムを使うユーザーに詳細にヒアリングし、「ワークフローマップ」を作成します。これはAI適用される業務の実施事項、利用するシステム、業務フェーズごとのKPIなどを時系列で整理したものです。

例として、見込み顧客の受注確度でスコアリングするAIシステム導入を想定した、ワークフローマップを作成しました(図1)。
この図のように、AI導入のBefore、Afterという形で作成するケースが多いです。

図1:ワークフローマップの作成例

 

これにより、実際にAIシステムを用いるユーザーの行動、関わるシステム、AIシステムによって変更される業務、導入で得られるメリットを整理できます。

また資料化・関係者間で配布しておけば、「何のためにAIを用いるのか」「構築したとき誰が使うのか」というプロジェクトの前提、いわばビジネス要件を共有し、認識のずれを回避できます。

「システムフローマップ」によるシステム要件の把握

続いて、「システムフローマップ」を作成します。これはAIシステムに関連する業務システムの全体像を整理したものです。

AIシステムとは大まかに言えば、「データを外部から受け取り、推論した結果を返す」という特性を持っています。
このため、外部システムとの連携はほぼ必須となり、システム面でも常に全体像・依存関係を把握することが重要です。特に推論に用いるデータはどこから来るのか、アウトプットは何を返すのか、という「データの流れ」を可視化することが重要です。

作成例は図1の「ワークフローマップ」の「データの流れ」を「システムフローマップ」にしたものです(図2)。

図2:システムフローマップの作成例

これにより、各システム間の連携、データの流れ、さらにはAI導入に伴い改修・追加しなければいけないシステムの要件も洗い出すことができます。

まとめ

AIシステムは新しい技術であるため、関係者それぞれの期待が高まりやすい一方で、共通見解を作りにくいため、開発・業務適用するまで時間がかかります。

また、システム間の連携が複雑になることも、AIシステム開発のハードルを高くしています。

今回ご紹介しました、「ワークフローマップ」と「システムローマップ」の2つのフレームワークを作成することで、ビジネス・システム両面の全体像を整理でき、関係者間の認識のずれや、要件定義の手戻りや見積の大幅な乖離などのリスクを下げることができます。

IoTデザインセンターでは、AIの専門知識とスキルを持つスペシャリストがチームを組み、本稿のようなプロジェクト全体の整理、課題抽出から学習モデルの開発、運用まで一貫して実施いたします。ぜひお気軽にご相談ください。

<今回の記事担当>

富士通クラウドテクノロジーズ
営業マーケティング本部
データ・IoTデザイン部
ディレクター 金岡亮

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