過剰供給や食べ残しなどによる食品ロスが全世界的に問題になっています。国連食糧農業機関の統計調査によると、世界における食品の廃棄量は年間約13億トン。日本でも年間約620トンの食品ロスが発生しています。
需要予測システムを導入している企業もありますが、運用課題も残されており、その課題のひとつとして挙げられているのが予測精度の向上です。
今回は、AI(人工知能)を活用した需要予測システムについて解説します。

 

食品流通における需要予測の難しさ

 

 

 

 

 

 

 

商品展開や消費者のニーズの多様化、商品の発売サイクルの短期化などが進み、商品の需要を予測することは難しくなりつつあります。さらに、商品ごとに存在するトレンドや広告宣伝イメージ、季節性の需要特性の変化なども加わることで、どのような商品に需要が生まれるのかを把握させにくくしています。

これらの要因を人的リソースのみに頼って解析することは困難であるため、現在食品流通業界ではAI技術の活用が注目されています。

 

気象予測情報とPOSデータで食品の需要を予測

食品生産や流通のタイミングには、気象条件が大きく関わってきます。特に、需要予測システムがより的確に気象の変化を予測するための精度については、さらなる向上が大きな課題となっていました。ここでは、課題解決に向け気象予測にAIを活用して気象予測の精度を上げる取り組みについて、ご紹介します。

 

 

気象予測情報とPOSデータをAIが分析

店頭での売上データ(=POSデータ)と気象情報という2つのビッグデータを組み合わせ、刻々と変化する食品の需要をAIが分析のうえ、予測するという取り組みが行われています。

天候情報のほか、SNSでの天候に関する書き込みなども取り入れることで精緻なデータを解析し、より繊細な需要予測につなげる試みがなされています。

 

CPFRによる機会ロスの削減

メーカー、卸・配送業者、小売業者が協力し合って、需要予測から生産・販売計画、在庫管理までを一連でおこなうCPFR」。現在この活動では、気象予測情報との連携で機会ロスの削減とさらなる効率化を図り、在庫削減と品薄防止の両立に取り組んでいます。

 

AIの活用により需要予測の精度が向上

ビッグデータの分析による需要動向の予測に加え、AI分析による気象予測のさまざまなパターンと照合し、これから需要が増えると見込まれる商品を特定します。それにより、適切な販売方法を試すことが可能です。

AIを取り入れて予測精度を高めるこの試みは単に商機の予測にとどまらず、機会ロスを防ぎ、適正な食品流通を実現できると目され、多くの商圏での活用が期待されています。

 

需要予測を成功させるポイント

食品需要の予測を成功させるためには、「最適な予測モデルの適用」や、予測に効果的な「学習データの発見」が特に大切になります。

AIが機械学習した膨大なデータからつねに適正な予測モデルを取り入れるには、商品特性に応じた最適なモデルの使い分けができることも必要。

AIがおこなう需要予測にPDCA(計画、実行、評価、改善)のノウハウを取り入れ、予測に役立つ学習データの蓄積を実現することも、需要を予測し、食品ロスを防ぐために重要といえます。

 

まとめ

今回は、食品流通業界でのAI活用による需要予測についてご紹介しました。

気象情報を取り入れて食品需要の動向を読み、生産や流通に活かすことで実現できるのは、食品ロスの削減だけにとどまりません。商品の流通手段をトラック輸送から海運や鉄道へ転換する「モーダルシフト」への取り組みにも、これらの手法が役立てられることが期待されています。

 

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