物流業界では、オンラインショッピングの普及に伴って配送件数が増加し、配送ルートの最適化が大きな課題となっています。そこで、AI技術を活用し、道路状況や受け取りまでの時間に応じて配送ルートを最適化する試みが始まっています。

今回は、物流業界でAIが注目される背景や現状についてご紹介します。

 

物流にもAIが進出する背景

日本は少子高齢社会を迎え、労働力人口の減少という課題に直面しています。オンラインショッピングが活発になり、再配達や配送スピードが求められる物流業界でも、人手不足とドライバーの高齢化は深刻な問題です。

また、再配達などのきめ細かなサービスと積み荷の小型化により、トラックの積載率が低下し、近年は40%前後で推移しています。このようなロスの多さが燃料代や人件費に重くのしかかっており、物流の効率化を図るためにAI技術の活用が期待されています。

 

配送ルート最適化の課題

配送ルートを最適化するために、「トラックの配送先の割り当て」「それぞれの配送先を巡回する順番」「配送先から次の配送先に移動するまでの経路」という3つの要素を同時に考慮する必要があり、その選択肢は膨大な数になります。

さらにその都度ルートを計算している時間がないこと、配送先の営業時間や在宅時間、ドライバーの仕事量といった制約条件から、ルートの最適化は非常に難しいものとなっています。

 

AIで実現する配送ルート最適化

現時点で最適ルートを導き出すのは難しいものの、「最適に近い配送ルート」を割り出すことは可能です。実際、車両台数や総走行距離の最小化や積載率の最大化などの設定目標に合わせて、効率的な配送ルートを提案するサービスも登場しています。
このサービスは日本全国を走行する貨物トラックから収集・蓄積された走行実績データを基に情報を解析するもので、物流拠点や輸送経路の見直しによる輸送コストの試算にも活用されています。

ここで、「スマート道路(スマートウェイ)」と呼ばれる、配送ルートの最適化を側面から支援する技術構想についてもご紹介しましょう。スマート道路は、道路を走行する車両の通信システムの他、道路に設置されたセンサーや光ファイバーネットワークなどを活用する「高度道路交通システム(ITS)」です。

ITSは情報通信技術を自動車や公共交通と結びつけるけることで、交通事故や渋滞、環境問題などの解消を図るものとして生まれました。そして、2009年のETC2.0車載器の登場以降、ITSは新たな局面を迎えています。
従来は複数の装置が必要だったものが、一つの通信装置の搭載で必要な情報を得られるようになったため、さまざまなアプリケーションの開発が可能になりました。これによりETCVICSの公共サービスだけでなく、物流事業者の支援など民間レベルでもITSのプラットフォームを活用できるようになったのです。

将来的には、オープンデータによるナビが一般化するようになるでしょう。こうした技術を物流に活用することで、物流は最適化された状態に近づいていくと考えられています。

 

まとめ

今回は、AIによる配送ルートの最適化についてご紹介しました。現在のAI技術は人の判断を完全に代替できるものではありませんが、ビジネスのスピードが速くなっている昨今、物流業界もAI技術を活用し、人では扱えない膨大なデータと計算力を利用して最適化を目指そうとしています。最適ルートには各事業者の制約や業務フローがあるため、地図上の最適ルートを求めるだけでは問題は解決しません。しかし、現在マニュアルで行われている作業は今後、AIなどで自動化や最適化が進められていくでしょう。

 

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