ニフティIoTデザインセンターとしての初のセミナー、来て、見て、分かる!IoTセミナー が9月18日(金)に行われました。こちらはそのレポートになります。

『IoTをビジネスの力に』IoTビジネスの実態とIoTセンサー
講師:ぷらっとホーム株式会社 業務統括部 部長 松下 享平様

IoTビジネスレポート

アメリカIntel本社 副社長兼IoTソリューション事業本部長のダグ・デイビス氏が「2020年までにインターネット接続デバイスの数は500億になる。」と言っており、スマートフォンよりインターネットに接続するデバイスの数の方が多くなると予想されています。

IoTのポジショニング

ガートナー「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル」によると2014年に比べて、2015年にはIoTが頂上まで来ており、IoTのポジショニングは一番上にあることがわかります。

日本国内のIT投資動向

IT投資が年間2000億増加しており、成長、変革分野に対するIT投資が増加傾向にあり、IoTへの投資の可能性を感じさせます。

企業内のIoTに対する組織

IoTの部署を持っている会社は全体の10%に満たないです。

IoT関連イベント出展者推移

2013年から比べて2016年のイベントは出展社が3倍以上になる見込みです。2015年はIoT元年と言われ、IoTはバズワードフラグが立ってきています。IoT市場の盛り上がりを潰さないように皆様と協力していきたいです。

IoTビジネスの現場

IoT推進部門の問題点

IoT推進部門は立場が弱く、社内では3年後にはなくなってしまうのではと言われています。テクノロジー的にも移り変わりのスピード感が早く、金も時間もないというのが問題点です。

Bad案件ケース

Bad案件ケースとして、次の3点があります。

  • IoTをしきりに押し込み
  • センサー能力ありきのビジネス設計がされている
  • スケジュールを焦っている

「IoTをしきりに押し込み」とは打ち合わせ中に「IoTで」と枕詞が常に出てくる場合、危険信号ということです。「センサー能力ありきのビジネス設計」は本来逆なんです。センサーのスペックの話が会議の半分以上を占める場合、危険です。そして、「スケジュールを焦っている」とは同業他社の動向が把握できてない、社長からのトップダウンでやれと言われているケース等です。

スピード早いのに案件の足が長い?

スピードが早いと言われるのはテクノロジやプロダクトのリリースサイクルです。対して事業化との速度感が合わず、ビジネス上のギャップが発生します。案件の足が長いので、使用しようとした技術が半年後のリリース時に陳腐化している可能性があります。そのため、採用するテクノロジ・プロダクトの目利きが問われます。ビジネスとして考えると、半年後、1年後このテクノロジが生きているかを見極める必要があります。

IoTビジネスには何が必要なのか?

IoTシステム構成はIoTデバイス→IoTゲートウェイ→IoTアプリケーションとなりますが、構成要素がやたらと多いです。デバイスからゲートウェイまでで、精度・送出頻度・設置場所・I/F・電源・故障対応。ゲートウェイからアプリケーションまででアクセス回線・データデコード、プロトコル変換・ペイロード処理・経路セキュリティ・伝送障害対策・システム更新。アプリケーション部分でUI/UX・ライブラリ/PaaS・ストレージ量/時間・開発言語・プロトコル・動作環境・将来への拡張になります。これだけ構成要素が多くてできることが少なく、こなれてないのが問題点になります。
 

設計の辛い現実

IoTシステムを設計する上で、プレゼンテーションしやすい要素としづらい要素があります。例えば「伝送障害時の再送処理」は地味ですが、実装・テスト工数がかかります。とは言っても、見積明細には入れづらいものです。このようにプレゼンテーションしづらい要素は表に全く見えないだけで、必要な要素です。データ伝送部分はお客様にはコストと思われているので、足を引っ張らないようお客様から全く見えない部分を安価・簡単に解決することが必要です。

システム選定の注意点

「IoTクライアント(エージェント)からサーバまでワンストップで提供します」という場合ですが、サーバはベンダーの指定するエージェントしかできないと言われ、エージェント購入費に多額の費用が掛かることがあります。初期は安価かもしれませんが、後々高い買い物になります。一生そのベンダーと付き合うつもりで導入した方がいいでしょう。また、「グラフィカル・プログラミング環境で簡単/プログラミングレス開発できます」という場合、「本当に必要な部品やライブラリはあるか?」「バージョン管理、テストやデプロイ環境が揃っているか?」「アプリケーションを改修することは可能か?」「性能は出るか?」「困った時に相談するコミュニティがあるか?」など注意すべき点が多くあります。開発・運用で泣きを見ないように気をつけてください。

IoTセンサー紹介

CC2650STK(テキサスインスツルメンツ)
10個のセンサーがついている。
MES-EVAL-V2-T(アルプス電気)
温度・湿度・気圧・照度の4個のセンサー。ソーラー駆動モデルは電池不要。920MHzの特小無線
アーミン(EnOcean)
ドアの開閉、温湿度、照度、人感、ボタンスイッチ。エナジーハーベスト(環境発電)による電力の自給自足を実現。押した時の圧力やソーラー発電によって発電。920MHzの特小無線
FDC1004EVM(テキサスインスツルメンツ)
タンクやグラスに貼り付け、その先に水の動きがわかるセンサー。

質疑応答

IoTのテクノロジはこなれていないという印象ですが、ガートナーのハープサイクルの資料では一番上にいっています。これはガートナーが間違っているということでしょうか。

この図は縦の軸が期待度が高いということを表し、横軸が時間になります。やがて期待が高いのにテクノロジが追いついていない減滅期が出てきます。既にテクノロジが追いついていない状況が出てきています。iBeacon症といっているのですが、iBeaconを置いておけば、店舗の巡回が全て上手くいくと思われることがあります。これは技術に対する期待度が高すぎる例です。

一人でできる!mBaaSでスマートホーム化
講師:株式会社MOONGIFT 中津川篤司様

スマートホームとは?

スマートホームには二つの意味があります。一つ目の意味が家電や設備機器などを情報化&静的制御するホームオートメーションのこと、二つ目の意味が地域や家庭内のエネルギーを最適制御する住宅のことです。今回は一つ目の意味でホームオートメーションで室内環境・セキュリティを管理することを取り扱います。

ホームオートメーションにおけるmBaaSとは?

ホームオートメーションにおけるmBaaSを使うとどのようなことが起こるかというと、ドアを開けると照明がつく、明るくなるとカーテンが開く、温度が高くなるとエアコンがつくなどがあげられます。家の中で完結するものが多く、ネットワークは使うもののインターネットは使われないものが多いです。ホームオートメーションにおいてインターネットが使われる例としてお年寄りの安否確認のサービスがあります。おじいちゃん・おばあちゃんの家の中で室温が閾値を超えると息子・娘宛に通知があるシステムになりますが、これはトリガーが家庭内にあり、リモート監視するサービスになります。

ホームオートメーションにおけるクラウドとは?

ホームオートメーションでクラウドがどのように使われるかというと、ステータスの記録、指定時間の実行、リモートでの確認・監視、閾値を超えたときの処理通知などがあります。ホームオートメーションにおけるmBaaSにおいて、ステータスの記録、リモートでの確認、監視をmBaaS、指定時間の実行はタイマー、閾値を超えた時の通知はMQTT/mBaaSで行います。

MQTTとは

Pub/Sub型のメッセージングシステムでHTTPに比べてヘッダデータ量が少なく、N対Mでデータの送受信ができます。MQTTの通信では、パブリッシャーとサブスクライバーがおり、その間にブローカーがいます。パブリッシャーはデータを送受信することができます。パブリッシャーがブローカーにcat1のカテゴリでデータを送ると、cat1に対応したサブスクライバーもしくはパブリッシャーが受け取ることができます。

今回のハードウェア/ソフトウェアの組み合わせ

ハードウェア

  • Raspberry Pi2 Model B
  • Webカメラ
  • 無線LANアダプタ
  • IRKit
  • HDMIPi
  • マイク(USB接続)

プログラミング言語

  • node.js/JavaScript(v0.12系推奨)

音声による制御

Raspberry PIにJulius(音声認識エンジン)をインストールし、普通にダウンロードしてコンパイルします。

アーキテクチャ

マイクで音声を入力し、特定の人の声だと認識され、ネットワーク経由で電灯が光ります。

クラウドにIoTを絡めてみる

ニフティクラウドmobile backend(いわゆるmBaaS)で何か問題があったら助けを呼ぶために、プッシュ通知を飛ばす仕組みを作ります。

アーキテクチャ

マイクで音声を入力し、特定の人の声だと認識され、ニフティクラウドmobile backend経由でプッシュ通知が送られます。

監視システムを作る

Webカムとmotionで動きがあった時に写真撮影し、ニフティクラウドmobile backendにアップロードします。

アーキテクチャ

Rasberry PIにWebカムを設置し、動きがあった時に写真撮影をし、ニフティクラウドmobile backendに画像をアップロードする。

発展性

写真のアップロードと同時にプッシュ通知を送ります。写真から人物の認識がつけばそこからエアコンや照明をつけたり、合成音声で受け答えができます。

照明とエアコンを連携する

照明を消したタイミングを感知してエアコンを止めます。ニフティクラウドmobile backendのデータストア機能を使います。

アーキテクチャ

ニフティクラウドmobile backendとIRKitとIntel EdisonとLittleBitsのライトセンサーを使用します。

まとめ

ニフティクラウドmobile backendやRasberry PIを使用して気軽に試してみることができるので身近なところからホームオートメーションを楽しんでみてください。

「IoTのお困りごとを解決『ニフティIoTデザインセンター』」
講師:ニフティ株式会社 IoTデザインセンター センター長 市角栄康

1.IoTに取り組む時の課題

モノをIoT化する時の流れ

モノをインターネットに繋いでIoT化する時、モノ・デバイス から IoT製品 に至るまでに必要な過程として、

  1. アイデアデザイン
  2. ビジネスデザイン
  3. システムデザイン
  4. プロトタイプ

の4つがあります。アイデアデザインではアイデアを考え、IoT化する目的を考えます。ビジネスデザイン ではビジネスとして成り立つかを考えます。システムデザイン ではインターネットに繋ぐときに必要な要素、クラウドでどのようなレイヤーを組み合わせていくか、時には、「インターネットとは?」「 クラウドとは?」から考えていくこともあります。プロトタイプ では出来るところから作り上げて、それまでで考えたところを実行していき、その後、アイデアデザインからプロトタイプまでを繰り返し実施していきます。

モノをIoT化する時の方法と課題

IoTデザインセンターをオープンしてから、多くの企業の方と話をしますが、アイデアからプロトタイプに至るまでがよくわからないとの声をよく聞きます。「何ができるのか?」「どうやってやればいいのか?」と初めて行うのでノウハウがないと言われる企業は多いです。その際の方法は二つあると思います。自分たちでやるか、できる人たちにお願いするかのいずれかです。

まず、自分たちでやる場合、どんな価値を提供できるかを考えて作り出す、提供価値の創造をすることになります。IoTの「I」側のスキル・ノウハウを持つことが必要です。これをゼロから行うことになります。学習コストや学習期間がかかりますが、体力的に余裕のある会社であれば可能です。また、できる人にお願いする場合、例えばSIerに依頼することになりますが、開発に慣れているのでしっかりした製品づくりが可能になることとスピード感を持って開発を行うことができます。反面、多額のコストがかかります。

デバイスメーカーさんの希望

デバイスメーカーにはIoTについてどのようなモノを望んでいるかを聞けるところが少ないという悩みがあり、気軽に相談できるところを求めています。またコスト・期間はかけられないということ、先ずはプロトタイプで検証を行いたいという希望を持っています。

2.ニフティIoTデザインセンター

IoTの「I」をカジュアルに実現する

ニフティIoTデザインセンターはデバイスメーカーさんの希望を叶えます。特徴はカジュアルに相談でき、ご希望に応じてアイデア出しからの参画や一緒に何ができるかというところから考えていくことが可能です。相談は無料です。そして、ネットワークや会員基盤などニフティの資産を活用することができ、ニフティIoT Labのエンジニア集団と直接やりとりしていただくことができます。

IoTデザインセンターの活動

モノのサービス化を行うためのプロセスと内容を考えていくことを行っています。サービス化までの過程でアイデアデザインアプリケーションデザインシステムデザインアプリケーションモック作成 までをIoTデザインセンターの中で一緒に行います。量産化の段階になりましたら、当社のパートナー企業と一緒にやっていただくことになります。

IoTデザインセンターの構成

ニフティIoTデザインセンターはソリューション部隊としてIoT Labと開発パートナー(エコシステム)を持ち、システムプラットフォームとしてニフティクラウド IoTプラットフォームを持っています。IoTプラットフォームではニフティクラウドのシステムプラットフォーム上にIoTに必要となる様々なパーツを用意しています。

IoTデザインセンターを利用するメリット

ニフティがWebサービスやスマートフォンアプリなどで得たノウハウやIoT Labの持つ技術を応用することで、プロトタイプをアジャイル開発でスピーディーに回し、コストダウンを図ることができます。


この後、懇親会が行われました。IoTでは実際にビジネスとして動き始めている企業とそうではない(情報収集中)企業とに二極化が進んでいます。自社の武器をどうIoTに活かすか、相談したいという方はまずはIoTデザインセンターまでお気軽にどうぞ!